薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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上手いこと誰も死なずに成人迎えた世界
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「めっずらし〜」
そう零したのが聞こえたのか聞こえてないのか、伏黒は五条が玄関を開けて迎え入れるなり靴も脱がずに崩れ落ちた。真っ赤な顔で、息はひどく酒臭い。誰と飲みに行こうが殆ど酒なんて飲んでこないのに、ましてや血筋かそこらの人間よりはずっと酒に強くてまず酔わないというのに、今日の伏黒は帰宅出来たのが不思議なくらいの酔っ払いになっていた。思わず玄関から顔を出して辺りを見回すが、伏黒を送り届けてくれた人は見当たらない。本当に1人で帰ってきたらしい。
「恵?立てる?」
今にも靴に囲まれながら寝転がってしまいそうな伏黒にそう声をかければ、ゆっくりと首を横に振った。視界が回るのか、へたれこんでいるだけでもふらふらしている。
今日は呪術高専時代の同級生と先輩たちとの飲み会だったはずだ。見知ったメンバーであれば伏黒はきっぱり断って殆ど飲まない筈だが、どうして今日に限って。原因を考えながらふにゃふにゃになった伏黒を横抱きで持ち上げる。五条ももう三十路もいいところだが、意外とどうにかなって少し安心した。
「水飲める?ていうか1回トイレで吐いてくる?」
「…も、出した…」
「道で?」
「いざかや…」
「んじゃ水だけちょっと飲んでさっさと寝な」
寝室に向かって歩く揺れですらしんどいのか、うーうーと唸りながら五条に縋り付く。もうすぐ着くよ、と言いながら背中をさすっているうちに寝室に着いて、伏黒を優しくベッドに転がした時だった。伏黒の腕が五条の首に巻きついたまま離れない。離れないどころか五条の首元を唇だけで軽く食んできた。いやに熱い舌が時折肌の上を滑っては、また唇だけで柔く噛み付いてくる。
「…恵さーん、離してくださーい」
「ん、…」
「やじゃなくて」
ようするにお誘いだ。酔いで頭の中がふやけているからか、随分と分かりやすい。素面の時にこうしてもらえればすぐ乗っかるのだが、流石に今日は乗っかるわけにいかなかった。惜しいなぁ、と心の中で零してから無理矢理首に巻きついていた伏黒の腕を解く。
酒で真っ赤な顔をした伏黒が不服そうな顔をするが、その頬を両手のひらで包んだ。
「どーしてもシたいんだったら僕が一緒に行って中の洗浄することになるけどそれでもいいの?こんなフラフラの酔っ払いを1人で風呂場になんて行かせらんないよ」
男同士のセックスは手間がかかるのだ。そしてそれはふやけた頭でもしっかり刷り込まれているようで、段々五条の言葉を理解したのか伏黒の顔から血の気が引いていく。そして五条の手に挟まれながら小さく首を横に振った。
「…ね、ます、」
「よろしい。素面の時にまたこのお誘いしてね」
五条の言葉を最後まで聞いたのか聞いていないのか、五条の手から逃れた伏黒はのそのそと布団の中に潜り込んでいった。水を用意する間もなくすぐに寝息が聞こえて、伏黒がぐっすりと寝落ちたのを確認してから五条はリビングへと向かった。添い寝してやりたいのは山々だが、これだけ飲まされているとなると多分酒臭いその息だけでも五条には少しきつい。しかし明日起き出した伏黒に今夜のこの一連の流れを全て教えた時の反応を思えば、今夜くらいソファで寝るのも大したことじゃない。
「……あ、そういえば今日って硝子いたんだっけ」
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2023.09.08 22:30:57
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上手いこと誰も死なずに成人迎えた世界
「めっずらし〜」
そう零したのが聞こえたのか聞こえてないのか、伏黒は五条が玄関を開けて迎え入れるなり靴も脱がずに崩れ落ちた。真っ赤な顔で、息はひどく酒臭い。誰と飲みに行こうが殆ど酒なんて飲んでこないのに、ましてや血筋かそこらの人間よりはずっと酒に強くてまず酔わないというのに、今日の伏黒は帰宅出来たのが不思議なくらいの酔っ払いになっていた。思わず玄関から顔を出して辺りを見回すが、伏黒を送り届けてくれた人は見当たらない。本当に1人で帰ってきたらしい。
「恵?立てる?」
今にも靴に囲まれながら寝転がってしまいそうな伏黒にそう声をかければ、ゆっくりと首を横に振った。視界が回るのか、へたれこんでいるだけでもふらふらしている。
今日は呪術高専時代の同級生と先輩たちとの飲み会だったはずだ。見知ったメンバーであれば伏黒はきっぱり断って殆ど飲まない筈だが、どうして今日に限って。原因を考えながらふにゃふにゃになった伏黒を横抱きで持ち上げる。五条ももう三十路もいいところだが、意外とどうにかなって少し安心した。
「水飲める?ていうか1回トイレで吐いてくる?」
「…も、出した…」
「道で?」
「いざかや…」
「んじゃ水だけちょっと飲んでさっさと寝な」
寝室に向かって歩く揺れですらしんどいのか、うーうーと唸りながら五条に縋り付く。もうすぐ着くよ、と言いながら背中をさすっているうちに寝室に着いて、伏黒を優しくベッドに転がした時だった。伏黒の腕が五条の首に巻きついたまま離れない。離れないどころか五条の首元を唇だけで軽く食んできた。いやに熱い舌が時折肌の上を滑っては、また唇だけで柔く噛み付いてくる。
「…恵さーん、離してくださーい」
「ん、…」
「やじゃなくて」
ようするにお誘いだ。酔いで頭の中がふやけているからか、随分と分かりやすい。素面の時にこうしてもらえればすぐ乗っかるのだが、流石に今日は乗っかるわけにいかなかった。惜しいなぁ、と心の中で零してから無理矢理首に巻きついていた伏黒の腕を解く。
酒で真っ赤な顔をした伏黒が不服そうな顔をするが、その頬を両手のひらで包んだ。
「どーしてもシたいんだったら僕が一緒に行って中の洗浄することになるけどそれでもいいの?こんなフラフラの酔っ払いを1人で風呂場になんて行かせらんないよ」
男同士のセックスは手間がかかるのだ。そしてそれはふやけた頭でもしっかり刷り込まれているようで、段々五条の言葉を理解したのか伏黒の顔から血の気が引いていく。そして五条の手に挟まれながら小さく首を横に振った。
「…ね、ます、」
「よろしい。素面の時にまたこのお誘いしてね」
五条の言葉を最後まで聞いたのか聞いていないのか、五条の手から逃れた伏黒はのそのそと布団の中に潜り込んでいった。水を用意する間もなくすぐに寝息が聞こえて、伏黒がぐっすりと寝落ちたのを確認してから五条はリビングへと向かった。添い寝してやりたいのは山々だが、これだけ飲まされているとなると多分酒臭いその息だけでも五条には少しきつい。しかし明日起き出した伏黒に今夜のこの一連の流れを全て教えた時の反応を思えば、今夜くらいソファで寝るのも大したことじゃない。
「……あ、そういえば今日って硝子いたんだっけ」
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