薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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危機感
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「あんたさ、少しは危機感持った方がいいわよ」
五条を待つ教室で釘崎が唐突に言い放った。伏黒と釘崎の間に挟まれている虎杖は五条がまだやってこないのをいい事に机に突っ伏して寝ている。
「何でだよ」
伏黒の言葉に退屈そうに頬杖をついていた釘崎はちらりとこちらを見た。すっかり見慣れてしまったあまり機嫌の宜しくない時の顔だ。眉間に皺は寄っていなくても口がへの字に曲がっていて、少なくとも上向きのテンションではない。
「自分で思ってるより、伏黒って人よりズレてんのよ。見ててウザったらしいったらないわ」
「…そうか?」
「そうよ」
もう授業が始まる時間になって5分はすぎた。若干の遅刻は当たり前なので、あともう数分でやってくるだろう。それが分かっていながらもちゃんと授業が始まる前にはちゃんと3人揃って机に座っているのだから、律儀と言うべきか。
釘崎の急な指摘にどうしたものかと思いながらも、五条が来ないことには授業も始まらず暇ではあるので続きを促す。
「一応聞いとくけど、どこが?」
ふん、と鼻を鳴らして細い指を1つ立てた。
「あいつとどんだけ付き合い長いか知らないけど、普通はお互いの味の好みなんてそこまで知らない」
2つ目を立てた。
「教師が大体どの辺でサボってるかも普通は細かく把握してない」
3つ目。
「そんなしょっちゅう電話とかしない。3ヶ月先のスケジュールも把握してない」
4つ目5つ目と指を立てては畳んで、それが1往復した頃。とうとう伏黒は静止するように手のひらを掲げた。続きを促してしまったことを後悔してももう遅い。
「分かった、分かったからやめてくれ…」
伏黒にとって最早日常となっていたことは傍から見たらこんなにもおかしく映っていたのかと、いたたまれなくなる。耳がじんわりと熱を持つ。慣れとは恐ろしい。
「…んで、」
釘崎が指折り数えていた指をまた一つだけにして、伏黒を指さした。
「パーソナルスペースが崩壊してる」
「だってさ、恵」
語尾にハートマークでも付いているのではないかという聞き慣れた声が耳元でして、背筋が粟立つ。思わず椅子から立ち上がった拍子に大きな音が響いて、その音で虎杖が目を覚ました。咄嗟に叫ばなかったことを、誰か褒めてくれ。なんてことすら思う。
「あ、先生来た」
「おせーよ」
釘崎の言葉が教室の片隅に落っこちた。
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2023.09.06 22:44:21
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「あんたさ、少しは危機感持った方がいいわよ」
五条を待つ教室で釘崎が唐突に言い放った。伏黒と釘崎の間に挟まれている虎杖は五条がまだやってこないのをいい事に机に突っ伏して寝ている。
「何でだよ」
伏黒の言葉に退屈そうに頬杖をついていた釘崎はちらりとこちらを見た。すっかり見慣れてしまったあまり機嫌の宜しくない時の顔だ。眉間に皺は寄っていなくても口がへの字に曲がっていて、少なくとも上向きのテンションではない。
「自分で思ってるより、伏黒って人よりズレてんのよ。見ててウザったらしいったらないわ」
「…そうか?」
「そうよ」
もう授業が始まる時間になって5分はすぎた。若干の遅刻は当たり前なので、あともう数分でやってくるだろう。それが分かっていながらもちゃんと授業が始まる前にはちゃんと3人揃って机に座っているのだから、律儀と言うべきか。
釘崎の急な指摘にどうしたものかと思いながらも、五条が来ないことには授業も始まらず暇ではあるので続きを促す。
「一応聞いとくけど、どこが?」
ふん、と鼻を鳴らして細い指を1つ立てた。
「あいつとどんだけ付き合い長いか知らないけど、普通はお互いの味の好みなんてそこまで知らない」
2つ目を立てた。
「教師が大体どの辺でサボってるかも普通は細かく把握してない」
3つ目。
「そんなしょっちゅう電話とかしない。3ヶ月先のスケジュールも把握してない」
4つ目5つ目と指を立てては畳んで、それが1往復した頃。とうとう伏黒は静止するように手のひらを掲げた。続きを促してしまったことを後悔してももう遅い。
「分かった、分かったからやめてくれ…」
伏黒にとって最早日常となっていたことは傍から見たらこんなにもおかしく映っていたのかと、いたたまれなくなる。耳がじんわりと熱を持つ。慣れとは恐ろしい。
「…んで、」
釘崎が指折り数えていた指をまた一つだけにして、伏黒を指さした。
「パーソナルスペースが崩壊してる」
「だってさ、恵」
語尾にハートマークでも付いているのではないかという聞き慣れた声が耳元でして、背筋が粟立つ。思わず椅子から立ち上がった拍子に大きな音が響いて、その音で虎杖が目を覚ました。咄嗟に叫ばなかったことを、誰か褒めてくれ。なんてことすら思う。
「あ、先生来た」
「おせーよ」
釘崎の言葉が教室の片隅に落っこちた。
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