薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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知らぬが仏
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伏黒と五条が仲がいい、というのはなんとなく察していた。2人の距離がちょっと近過ぎると思わないでもないが、どうやらかなり長い付き合いらしいので、五条の性格も相まってそういうものなのだろうと虎杖は納得していた。横に立つを通り越して最早腰を抱いている時もあるが、まぁそういうものなのだろう。触らぬ神に祟りなしという言葉を虎杖は無意識に実践していた。
そんなある日のこと。明日行く任務のことで少し気になることがあって五条を探していた日のことだった。校内のあちらこちらを探し回ってようやっと見つけ、五条を呼ぼうとした時。
「せんせ、」
途中まで呼んで虎杖は持ち上げた腕を下げた。そのまま気付かれないように死角になる場所へと素早く移動する。
「っぶねー…」
五条の大きな身体の影になっていてよく見えなかったが、間違いなく伏黒がいた。何をされていたのか正確には分からないが、少し屈んで丸くなっていた五条の背中と、少し背伸びするように伸ばされた伏黒の足。おそらく、たぶん、きっと。
触らぬ神に祟りなし、そう胸の内で唱えてその場から離れた。とりあえず見なかったことにして、明日もいつもと同じように伏黒と接してやらないと、なんて考えながら。
ーーー
「なぁ、五条先生と伏黒ってマジで付き合ってんの?」
唐突に振られた言葉に、釘崎は「今更?」と返した。これから任務に向かうというのに何を今更と、釘崎は溜息を吐き出した。どこからどう見てもただの教師と生徒でもただの古い付き合いでもなかろうに、何を見ていたのか。
「あれ、知ってた?」
「どっからどう見てもデキてんでしょ。あいつらがキスしてんのも見たことあるわよ」
「あっ、俺もこの間見た!」
引率の五条を待ちながら、いないばっかりに話題に出されている伏黒を少しだけ可哀想に思う。釘崎がたまたま目撃したのは自販機の影だったが、五条のことだからちょっとくらいいいでしょ、なんて言って伏黒に我儘を通しているのだ。一応人並み程度には倫理観のある伏黒が乗り気になってあんな場所でキスを許すとは思えない。というか、キスで一応済んでいるのだろうか。これ以上考えるのは罪悪感が勝るので考えないが、五条のことだから釘崎が空気を読んで立ち去ったあとも何かしたかもしれない。五条はそういう男だ。
相変わらず遅刻してくる五条を待ちながら釘崎はもう一度溜息を吐き出した。
「男の趣味が悪い」
ーーー
伏黒はとにかく五条に甘い。口では一応形として拒否するが、少し押せば仕方ないと受け入れる。あんまりにも簡単すぎてたまに心配になるのだが、素直に受け入れる伏黒が可愛いから未だに「危機感持ちなよ」とは言えなかった。たぶん言ってしまったら、校内でちょっと口が寂しいからキスしたいと思っても出来なくなってしまう。
「…ちょっと、早く屈んでくださいよ」
声を潜めて伏黒が言う。あまり人の来ない裏庭だとはいえ、校内で外。ぐいぐいと五条の襟を引っ張る勢いがいつもより強いのは当然のことだった。
とにかく伏黒は五条に甘い。あんまり人気がなかったり、死角になっていたり、そういうこっそりできる場所であれば五条が「ちょっとキスしたいな」と言っても大体OKを貰えてしまう。昔からよくこっそりキスくらいはしていたから今もそれが残ってしまっているのだが、たぶん伏黒は知らない。何度か目撃されていることを。
「ちょっと、」
「ごめんごめん。…ん」
知らない方がいい事も世の中には山ほどある。これはそのうちの一つだ。
ちょっと照れ臭そうに顔を寄せる伏黒に、五条はこれからも言わないでおこうと決めるのであった。
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2023.09.07 02:49:00
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伏黒と五条が仲がいい、というのはなんとなく察していた。2人の距離がちょっと近過ぎると思わないでもないが、どうやらかなり長い付き合いらしいので、五条の性格も相まってそういうものなのだろうと虎杖は納得していた。横に立つを通り越して最早腰を抱いている時もあるが、まぁそういうものなのだろう。触らぬ神に祟りなしという言葉を虎杖は無意識に実践していた。
そんなある日のこと。明日行く任務のことで少し気になることがあって五条を探していた日のことだった。校内のあちらこちらを探し回ってようやっと見つけ、五条を呼ぼうとした時。
「せんせ、」
途中まで呼んで虎杖は持ち上げた腕を下げた。そのまま気付かれないように死角になる場所へと素早く移動する。
「っぶねー…」
五条の大きな身体の影になっていてよく見えなかったが、間違いなく伏黒がいた。何をされていたのか正確には分からないが、少し屈んで丸くなっていた五条の背中と、少し背伸びするように伸ばされた伏黒の足。おそらく、たぶん、きっと。
触らぬ神に祟りなし、そう胸の内で唱えてその場から離れた。とりあえず見なかったことにして、明日もいつもと同じように伏黒と接してやらないと、なんて考えながら。
ーーー
「なぁ、五条先生と伏黒ってマジで付き合ってんの?」
唐突に振られた言葉に、釘崎は「今更?」と返した。これから任務に向かうというのに何を今更と、釘崎は溜息を吐き出した。どこからどう見てもただの教師と生徒でもただの古い付き合いでもなかろうに、何を見ていたのか。
「あれ、知ってた?」
「どっからどう見てもデキてんでしょ。あいつらがキスしてんのも見たことあるわよ」
「あっ、俺もこの間見た!」
引率の五条を待ちながら、いないばっかりに話題に出されている伏黒を少しだけ可哀想に思う。釘崎がたまたま目撃したのは自販機の影だったが、五条のことだからちょっとくらいいいでしょ、なんて言って伏黒に我儘を通しているのだ。一応人並み程度には倫理観のある伏黒が乗り気になってあんな場所でキスを許すとは思えない。というか、キスで一応済んでいるのだろうか。これ以上考えるのは罪悪感が勝るので考えないが、五条のことだから釘崎が空気を読んで立ち去ったあとも何かしたかもしれない。五条はそういう男だ。
相変わらず遅刻してくる五条を待ちながら釘崎はもう一度溜息を吐き出した。
「男の趣味が悪い」
ーーー
伏黒はとにかく五条に甘い。口では一応形として拒否するが、少し押せば仕方ないと受け入れる。あんまりにも簡単すぎてたまに心配になるのだが、素直に受け入れる伏黒が可愛いから未だに「危機感持ちなよ」とは言えなかった。たぶん言ってしまったら、校内でちょっと口が寂しいからキスしたいと思っても出来なくなってしまう。
「…ちょっと、早く屈んでくださいよ」
声を潜めて伏黒が言う。あまり人の来ない裏庭だとはいえ、校内で外。ぐいぐいと五条の襟を引っ張る勢いがいつもより強いのは当然のことだった。
とにかく伏黒は五条に甘い。あんまり人気がなかったり、死角になっていたり、そういうこっそりできる場所であれば五条が「ちょっとキスしたいな」と言っても大体OKを貰えてしまう。昔からよくこっそりキスくらいはしていたから今もそれが残ってしまっているのだが、たぶん伏黒は知らない。何度か目撃されていることを。
「ちょっと、」
「ごめんごめん。…ん」
知らない方がいい事も世の中には山ほどある。これはそのうちの一つだ。
ちょっと照れ臭そうに顔を寄せる伏黒に、五条はこれからも言わないでおこうと決めるのであった。
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