薄明
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柊英です
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黄色い薔薇を1本、貰った。生花ではなく造花なのだけど、撮影用に用意されたそれは随分と精巧に作られていて、大学生の時に学祭用にと買ってきたものとは比べ物にならないくらい本物に近かった。それを眺めながら、首を捻る。
「…思ったより…置き場所がないなぁ」
造花といえども値段によってこうも違うのだと感心しながら貰ってきたはいいけれど、仕事を終えて帰ってきてみれば置き場所がない。共有ルームにでもどこか飾れないかと思ったけれどいざ部屋を見回してみると案外、丁度いい場所というのがなかった。
英知以外はそれぞれ番組収録や雑誌のインタビュー等に出払っているのをいいことに手にした薔薇を揺らしながら部屋の中を歩き回る。
「…あ、」
そうして歩き回りながら共有ルームのソファに並べて置かれた特大サイズのリッズを見て一つ思いつく。この時柊羽のリッズの首輪に薔薇を挿したことに大した意味はなかったのだけど、その後起こることを英知は知らない。
「…英知、…っふふ、どうして俺の方を見ないんだ」
「見れないんだよ…‼」
英知がそう叫べば柊羽は笑いながら指に嵌めた黄緑と水色のパペラリッズでもって英知の頬をつついた。頬といっても英知の手のひら越しに、だけど。
本当の本当に意味なんて知らなかったのだけど、それだけに分かってしまうと我ながら恥ずかしい。熱くなった頬を隠そうと手のひらで覆ったはいいけれど、きっとそれじゃ足りない。耳だって同じように熱いのだから。
「別にいいじゃないか。随分と熱烈で、可愛い告白だった」
「そういうつもりじゃなかったんだってば…!も〜…知らなかったとはいえ恥ずかしい…」
「なら尚更、素敵な偶然だな」
「絶対楽しんでるでしょ…」
英知が柊羽の特大リッズに薔薇を挿してから暫くして仕事を終えた柊羽達が帰ってきて、それからいつもの様にテーブルを囲んで夕食をとりながら今日の仕事であったことを報告しつつ明日のスケジュールを確認して、自室へ帰る壱星と壱流をおやすみと見送った。そこまではよかった。
2人がいなくなったあと、柊羽がおもむろに言ったのだ。あの薔薇、随分と可愛らしい告白だな、と。
「そりゃあ楽しいさ。楽しいし、嬉しい。あとは英知がこっちを向いてくれたら完璧だな」
「…てかなんで、柊羽はパペラ持ってるの」
「実はこっそり4匹持ち歩いている」
「えっ」
そこで思わず振り向いてしまえば、緩く目を細めて楽しそうに微笑む柊羽と視線がぶつかってしまった。絡んだ視線に映り込む柊羽の指に嵌められたパペラは仲良く寄り添っていて。
「やっとこっちを向いたな」
「柊羽、わざとでしょ…ん」
その可愛いパペラの内、水色の子が英知の唇に触れた。
気障な事をする。けれどそれが絵になるからいつまで経っても頬の熱は引かない。
「俺にも、英知しかいないよ。…英知は?」
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2026.01.09 22:47:31
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柊英です
黄色い薔薇を1本、貰った。生花ではなく造花なのだけど、撮影用に用意されたそれは随分と精巧に作られていて、大学生の時に学祭用にと買ってきたものとは比べ物にならないくらい本物に近かった。それを眺めながら、首を捻る。
「…思ったより…置き場所がないなぁ」
造花といえども値段によってこうも違うのだと感心しながら貰ってきたはいいけれど、仕事を終えて帰ってきてみれば置き場所がない。共有ルームにでもどこか飾れないかと思ったけれどいざ部屋を見回してみると案外、丁度いい場所というのがなかった。
英知以外はそれぞれ番組収録や雑誌のインタビュー等に出払っているのをいいことに手にした薔薇を揺らしながら部屋の中を歩き回る。
「…あ、」
そうして歩き回りながら共有ルームのソファに並べて置かれた特大サイズのリッズを見て一つ思いつく。この時柊羽のリッズの首輪に薔薇を挿したことに大した意味はなかったのだけど、その後起こることを英知は知らない。
「…英知、…っふふ、どうして俺の方を見ないんだ」
「見れないんだよ…‼」
英知がそう叫べば柊羽は笑いながら指に嵌めた黄緑と水色のパペラリッズでもって英知の頬をつついた。頬といっても英知の手のひら越しに、だけど。
本当の本当に意味なんて知らなかったのだけど、それだけに分かってしまうと我ながら恥ずかしい。熱くなった頬を隠そうと手のひらで覆ったはいいけれど、きっとそれじゃ足りない。耳だって同じように熱いのだから。
「別にいいじゃないか。随分と熱烈で、可愛い告白だった」
「そういうつもりじゃなかったんだってば…!も〜…知らなかったとはいえ恥ずかしい…」
「なら尚更、素敵な偶然だな」
「絶対楽しんでるでしょ…」
英知が柊羽の特大リッズに薔薇を挿してから暫くして仕事を終えた柊羽達が帰ってきて、それからいつもの様にテーブルを囲んで夕食をとりながら今日の仕事であったことを報告しつつ明日のスケジュールを確認して、自室へ帰る壱星と壱流をおやすみと見送った。そこまではよかった。
2人がいなくなったあと、柊羽がおもむろに言ったのだ。あの薔薇、随分と可愛らしい告白だな、と。
「そりゃあ楽しいさ。楽しいし、嬉しい。あとは英知がこっちを向いてくれたら完璧だな」
「…てかなんで、柊羽はパペラ持ってるの」
「実はこっそり4匹持ち歩いている」
「えっ」
そこで思わず振り向いてしまえば、緩く目を細めて楽しそうに微笑む柊羽と視線がぶつかってしまった。絡んだ視線に映り込む柊羽の指に嵌められたパペラは仲良く寄り添っていて。
「やっとこっちを向いたな」
「柊羽、わざとでしょ…ん」
その可愛いパペラの内、水色の子が英知の唇に触れた。
気障な事をする。けれどそれが絵になるからいつまで経っても頬の熱は引かない。
「俺にも、英知しかいないよ。…英知は?」
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