薄明
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遠回しなラブレター
柊英です
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「…それは出来ない相談だって、分かってるでしょ」
「いや、英知がその手を離せばいいだけだろう」
「それが出来ないんだってば!」
夜更けのダイニングに英知の叫びが響いた。音量は控えてあるとはいえ、静まり返った共有ルームにはよく響く。
寝る前にお茶でもしよう、そう言ったところまではよかった。2人であれこれと他愛ない話をしながらゆっくりと時間を過ごし、ふと時計を見てもうすぐ深夜1時なのを見て、そろそろツキナイだな、と言った辺りで話は冒頭に戻る。
英知が柊羽のスマートフォンを掴んで画面を覆い、その手を引き剥がそうと柊羽が英知の手を掴むという傍から見たら間抜けな図。深夜にしては賑やかで少し楽しいと思っているのは、秘密にしておこうと思う。
「別に聞かれて困ることはないだろう?」
「…ないっちゃないけど、あるっちゃある」
「はは、それはどっちなんだ」
英知の手の中で指に反応したのか不意にスマートフォンの画面がぱっと明るくなる。ロック画面に表示された時間はAM1:00。押し問答をしている間にどうやら時間は刻一刻と進んでいたようで、スマートフォンの向こうでは英知がゲストとして出演したラジオが始まってしまった。
「…始まってしまったな」
「終わるまで返しませんよ」
英知がどんな回答をしたのか、聴きたかったのだけど仕方ない。小さく息を吐く。
「…強情だな」
降参とでもいうように英知から手を離してみれば、まだ幾分疑わしい目をしているけれど英知の肩から力が抜けたのが分かった。一体どんなことを言ったのか柊羽には分からないけれど、英知の表情に見合っただけのものはあるのだろう。
諦めるからスマホを返してくれ、そう言ってもラジオが終わるまで返してもらえなかったのは少しやりすぎだとは思うけれど。
______
「なぁ英知、この間のツキナイの再放送っていつだっけ?」
壱流の言葉にアイロン掛けをしていた手を止める。半分だけ皺が伸ばされた柊羽のシャツをそのままに、記憶を辿って「今日の13時頃かな」と伝えれば壱流はスマートフォンを取り出していくつか画面をタップした。やがて暖かい日差しが差し込む共有ルームについ数日前に放送されたラジオが流れ出す。
「…あれ、」
軽快なパーソナリティの挨拶の後に英知の挨拶が続き、それを聞いて柊羽との押し問答を思い出す。英知が頑なにこのラジオを聴かせたくなかったのは、本人を目の前にして聴かれるのがどうにも恥ずかしかったのもあるし、思いのほか真面目に質問に答えてしまったのもある。自分はなんと言っただろうか。
「英知、顔真っ赤」
「…柊羽、再放送の日時、知ってるかな」
「知ってんじゃね?」
「そういえば今朝はご機嫌だった」
「………つ、詰めが甘かった…」
____
「いずみのしゅうさん…ってこれ柊羽じゃないですか⁉…ですよね⁉えっこれ本当に本人が送ってきたやつですか?…っふふ、えー、すごい、ちゃっかりしてますね。俺の出演が発表されてから30分しないで…芸が細かいというかしっかりしてるというか…。ふふ、はい、送られてきたお便りなのでしっかり答えさせてもらいます!…と言っても何を言えばいいんだろうな〜…ご意見ご感想…そうだなぁ、柊羽はいつも俺たちQUELLの為に仕事を頑張ってくれて、毎日本当にありがとうと思ってます。なかなか上手くいかなくて柊羽が歯痒い思いをしてるのも、悔しいって思うこともあるのも、あんまり直接言ってくれないけど何となく分かります。もっと頼ってくれたらな〜って思うし、もっと甘えてくれたらな〜とも思うし、俺に出来ることなら何でもするから言ってね!あと最後に、こういうことは直接聞いてくれれば家で答えるので、早く寝てください!英知より!」
畳む
2026.01.09 22:53:48
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柊英です
「…それは出来ない相談だって、分かってるでしょ」
「いや、英知がその手を離せばいいだけだろう」
「それが出来ないんだってば!」
夜更けのダイニングに英知の叫びが響いた。音量は控えてあるとはいえ、静まり返った共有ルームにはよく響く。
寝る前にお茶でもしよう、そう言ったところまではよかった。2人であれこれと他愛ない話をしながらゆっくりと時間を過ごし、ふと時計を見てもうすぐ深夜1時なのを見て、そろそろツキナイだな、と言った辺りで話は冒頭に戻る。
英知が柊羽のスマートフォンを掴んで画面を覆い、その手を引き剥がそうと柊羽が英知の手を掴むという傍から見たら間抜けな図。深夜にしては賑やかで少し楽しいと思っているのは、秘密にしておこうと思う。
「別に聞かれて困ることはないだろう?」
「…ないっちゃないけど、あるっちゃある」
「はは、それはどっちなんだ」
英知の手の中で指に反応したのか不意にスマートフォンの画面がぱっと明るくなる。ロック画面に表示された時間はAM1:00。押し問答をしている間にどうやら時間は刻一刻と進んでいたようで、スマートフォンの向こうでは英知がゲストとして出演したラジオが始まってしまった。
「…始まってしまったな」
「終わるまで返しませんよ」
英知がどんな回答をしたのか、聴きたかったのだけど仕方ない。小さく息を吐く。
「…強情だな」
降参とでもいうように英知から手を離してみれば、まだ幾分疑わしい目をしているけれど英知の肩から力が抜けたのが分かった。一体どんなことを言ったのか柊羽には分からないけれど、英知の表情に見合っただけのものはあるのだろう。
諦めるからスマホを返してくれ、そう言ってもラジオが終わるまで返してもらえなかったのは少しやりすぎだとは思うけれど。
______
「なぁ英知、この間のツキナイの再放送っていつだっけ?」
壱流の言葉にアイロン掛けをしていた手を止める。半分だけ皺が伸ばされた柊羽のシャツをそのままに、記憶を辿って「今日の13時頃かな」と伝えれば壱流はスマートフォンを取り出していくつか画面をタップした。やがて暖かい日差しが差し込む共有ルームについ数日前に放送されたラジオが流れ出す。
「…あれ、」
軽快なパーソナリティの挨拶の後に英知の挨拶が続き、それを聞いて柊羽との押し問答を思い出す。英知が頑なにこのラジオを聴かせたくなかったのは、本人を目の前にして聴かれるのがどうにも恥ずかしかったのもあるし、思いのほか真面目に質問に答えてしまったのもある。自分はなんと言っただろうか。
「英知、顔真っ赤」
「…柊羽、再放送の日時、知ってるかな」
「知ってんじゃね?」
「そういえば今朝はご機嫌だった」
「………つ、詰めが甘かった…」
____
「いずみのしゅうさん…ってこれ柊羽じゃないですか⁉…ですよね⁉えっこれ本当に本人が送ってきたやつですか?…っふふ、えー、すごい、ちゃっかりしてますね。俺の出演が発表されてから30分しないで…芸が細かいというかしっかりしてるというか…。ふふ、はい、送られてきたお便りなのでしっかり答えさせてもらいます!…と言っても何を言えばいいんだろうな〜…ご意見ご感想…そうだなぁ、柊羽はいつも俺たちQUELLの為に仕事を頑張ってくれて、毎日本当にありがとうと思ってます。なかなか上手くいかなくて柊羽が歯痒い思いをしてるのも、悔しいって思うこともあるのも、あんまり直接言ってくれないけど何となく分かります。もっと頼ってくれたらな〜って思うし、もっと甘えてくれたらな〜とも思うし、俺に出来ることなら何でもするから言ってね!あと最後に、こういうことは直接聞いてくれれば家で答えるので、早く寝てください!英知より!」
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