薄明

ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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愛とは強かに
柊英です


「すまない、英知」
「…あぁ、それ」
 本当に申し訳なさそうな顔で柊羽が見せてきたのは今日発売したばかりの週刊誌だった。派手な見出しでもってゴシップをよく載せている雑誌で、決してイメージがいいわけではないそれ。柊羽に渡されたそれの表紙には、目立つようについ先日クランクアップしたドラマで共演していた女優とのツーショット写真が撮れたとあった。ご丁寧に打ち上げ後の逢瀬か、なんて言葉も添えて。
「珍しいよね、柊羽が撮られるの」
「なるべく2人きりにはならないように気をつけていたんだ。…でも、どこかから撮られた。すまない」
「っていやいや、そんな申し訳なさそうな顔しないでよ!」
 解像度の低いモノクロの写真でも柊羽の顔立ちが綺麗なのがよく分かる。確かに共演した彼女とは似合いのツーショットだ。並ぶと絵になる、お似合いだ。けれど英知にとってはそれだけの話。
「別に疑ってないし不安にもなってないし、そもそもこれ根も葉もない噂でしょ?」
 未だ下がったままの柊羽の眉が、彼の誠実さを物語っている。どうしたって人気や知名度があればそれを餌にありもしない噂を流されるのは当然のことだ。有名税、なんて言われたりもするがまさしくその通り。度が過ぎていたら話は別だが、どこかから写真1枚撮られるくらいで不安になって凹んでいたり気にしていたらきりがない。
「第一、これでもかってくらい柊羽に愛されて大事にされてるのに、今更写真1枚で疑う方が失礼だ」
 英知の言葉に、柊羽が幾度か瞬きしてから小さく息を吐き出した。さっきよりちょっと明るくなった顔で笑う。
「…英知のそういうところが、俺は好きだよ」
「俺も、柊羽のそういう真面目なところが好きだよ」
 そう返してやれば柊羽は敵わないと手にしていた雑誌を近くにあったゴミ箱へと入れた。

 
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