薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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カーテンの隙間から朝日が目蓋を突き抜けて「起きろ!」と声をかけてくる。それに抗おうと強く目蓋を閉じても目の奥がちかちかするだけで、とうとう根負けして五条は目蓋を持ち上げた。爽やかな朝の澄んだ空気に、なにも連絡を寄越さない静かなスマートフォン、朝日に叩き起されるまでぐっすりと寝たお陰で軽い気のする身体。そして極めつけは隣で丸くなって寝ている伏黒。唯一難点を挙げるとすれば、こちらに背中を向けていることくらいだが、まさしくこれは素晴らしい朝の目覚めといえるだろう。2人分の体温で温もった布団の中はいつまでも籠っていたくなる程に心地好い。どうせ今日は朝から晩まで何も無いのだ、もう暫くここでだらけていてもいいだろう。頭の中で言い訳をして、寝返りついでに伏黒の身体に腕を回した。つんつんと跳ねた髪が首元を擽り、抱き締めた腕からは規則正しく呼吸に合わせて胸が上下するのが伝わる。抱き枕としても完璧だった。
「…ったけぇ〜…」
溜息のように吐き出して、より密着するように身体を寄せる。このまま二度寝するのも悪くないと、目を閉じた時だった。
「…ちょっと、腕苦しいですよ」
五条の腕の中でもぞもぞと動き出したかと思ったら、伏黒が寝起きの丸い発音と共に自身を抱き込む腕を軽く叩いた。くあ、と欠伸を零してからもう一度腕を叩く。
「そんな強く腕回してないよ。知ってるくせに」
「寝苦しいんですよ」
「嘘つけ」
「っあ、ちょっと!」
回していた腕を片方だけ解いて、少し身体を持ち上げる。そのまま伏黒に覆い被さるようにして顔を寄せると、五条が何をする気か気がついた伏黒が逃げるように顔を逸らした。腕ごと抱き込まれているから首を傾けるくらいしか抵抗のすべは無いが、意外としぶとく逃げ回る。
「いーじゃん気にしないって」
「俺は気にするんですよ!」
「僕も恵も条件は一緒じゃん」
「一緒でも嫌なんですってば」
「ちぇー」
そのうち伏黒から肘鉄が飛んできそうな予感がして追いかけるのをやめれば、すっかり目の覚めた伏黒が五条の腕を引き剥がした。ベッドの上にあっさり腕は投げ捨てられ、それに視線も向けずに伏黒はベッドから降りる。
「ちょっと潔癖なところあるよね」
「そっちがずぼらなだけですよ」
ぐっと腕を真上に持ち上げて背筋を伸ばした伏黒が、五条を見下ろす。
「…歯、磨いてくるんで。五条さんは俺がお湯沸かしてる間にちゃんと起きて支度してくださいね」
要するにキスがしたいからお前も支度をしろ、ということだ。可愛らしいことを言う。五条が寝起きに伏黒と戯れると、最終的には大体こうして照れ隠しを添えながら布団から連れ出してくれる。伏黒は五条の扱いが上手いのだ。
「ね、支度終わったらここに敷くカーペットか何か買いに行こうよ。やっぱフローリングは冷たいからさ」
五条の言葉に、同じように冬のフローリングに対して思っていたのか伏黒は「ちゃんと起きれたらいいですよ」と返してくれた。
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2023.09.08 22:04:00
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カーテンの隙間から朝日が目蓋を突き抜けて「起きろ!」と声をかけてくる。それに抗おうと強く目蓋を閉じても目の奥がちかちかするだけで、とうとう根負けして五条は目蓋を持ち上げた。爽やかな朝の澄んだ空気に、なにも連絡を寄越さない静かなスマートフォン、朝日に叩き起されるまでぐっすりと寝たお陰で軽い気のする身体。そして極めつけは隣で丸くなって寝ている伏黒。唯一難点を挙げるとすれば、こちらに背中を向けていることくらいだが、まさしくこれは素晴らしい朝の目覚めといえるだろう。2人分の体温で温もった布団の中はいつまでも籠っていたくなる程に心地好い。どうせ今日は朝から晩まで何も無いのだ、もう暫くここでだらけていてもいいだろう。頭の中で言い訳をして、寝返りついでに伏黒の身体に腕を回した。つんつんと跳ねた髪が首元を擽り、抱き締めた腕からは規則正しく呼吸に合わせて胸が上下するのが伝わる。抱き枕としても完璧だった。
「…ったけぇ〜…」
溜息のように吐き出して、より密着するように身体を寄せる。このまま二度寝するのも悪くないと、目を閉じた時だった。
「…ちょっと、腕苦しいですよ」
五条の腕の中でもぞもぞと動き出したかと思ったら、伏黒が寝起きの丸い発音と共に自身を抱き込む腕を軽く叩いた。くあ、と欠伸を零してからもう一度腕を叩く。
「そんな強く腕回してないよ。知ってるくせに」
「寝苦しいんですよ」
「嘘つけ」
「っあ、ちょっと!」
回していた腕を片方だけ解いて、少し身体を持ち上げる。そのまま伏黒に覆い被さるようにして顔を寄せると、五条が何をする気か気がついた伏黒が逃げるように顔を逸らした。腕ごと抱き込まれているから首を傾けるくらいしか抵抗のすべは無いが、意外としぶとく逃げ回る。
「いーじゃん気にしないって」
「俺は気にするんですよ!」
「僕も恵も条件は一緒じゃん」
「一緒でも嫌なんですってば」
「ちぇー」
そのうち伏黒から肘鉄が飛んできそうな予感がして追いかけるのをやめれば、すっかり目の覚めた伏黒が五条の腕を引き剥がした。ベッドの上にあっさり腕は投げ捨てられ、それに視線も向けずに伏黒はベッドから降りる。
「ちょっと潔癖なところあるよね」
「そっちがずぼらなだけですよ」
ぐっと腕を真上に持ち上げて背筋を伸ばした伏黒が、五条を見下ろす。
「…歯、磨いてくるんで。五条さんは俺がお湯沸かしてる間にちゃんと起きて支度してくださいね」
要するにキスがしたいからお前も支度をしろ、ということだ。可愛らしいことを言う。五条が寝起きに伏黒と戯れると、最終的には大体こうして照れ隠しを添えながら布団から連れ出してくれる。伏黒は五条の扱いが上手いのだ。
「ね、支度終わったらここに敷くカーペットか何か買いに行こうよ。やっぱフローリングは冷たいからさ」
五条の言葉に、同じように冬のフローリングに対して思っていたのか伏黒は「ちゃんと起きれたらいいですよ」と返してくれた。
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