薄明

ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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つむじ

 五条のつむじは右回りである。
 おそらくそんなことを知っている人間はそう多くはない、と伏黒は思っている。五条は規格外に大きいうえに、そもそも人のつむじなんてそうまじまじと見ることもないだろうから伏黒くらいしか知らないであろう。ひっそりとそんなことに優越感を感じているのだが、本人には当然言ったことはない。伏黒が五条に対してやる事なす事、何を言っても嬉しそうにするからきっとこれも伝えたら大層喜ぶのだろうけれど。
 さて、ここは五条の部屋であるのだが風呂から上がった五条は基本的にいつでも髪を乾かしてこない。首にタオルを掛けてドライヤー片手にやってきては「髪乾かして」なんて言ってソファに腰掛ける伏黒の足の間に座るのだ。今日も今日とてそうして床に腰掛けた五条は、仕事の愚痴を零しながらタブレット端末でもって任務の資料を見つつ伏黒に頭を預ける。
「びしょびしょじゃないですか」
「恵がやってくれるから」
「風邪ひきますよ」
 まだ若干水が滴る髪をタオルでもって包んで水気を切っていく。形のいい頭をタオル越しに手のひらで大雑把に撫でて、タオルドライを理由に一頻り好き勝手髪をかき回したらその後にドライヤーでもってしっかりと乾かしていくのだが、タオルを外して伏黒はきゅ、と口元を引き結んだ。いつもこの瞬間はちょっとだけ口が緩みそうになる。
 タオルでもみくちゃにされても、やっぱり今日も五条のつむじは右回りだった。

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