薄明

ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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私は察しのいい女

(…またやってる)
 体術の訓練のために真希達を待ちながら、釘崎はそう胸の内で呟いた。
 伏黒は何かとよく首を押さえる。特に痛そうな素振りもないから恐らく無意識なのであろうが、気がつくとその右手は首の左側に置かれている。逆も然り。五条が来るのを待つ教室でぼんやりと黒板を見ている時だとか、任務に向かうために補助監督を待っている時だとか、その帰りの車内だとか。その理由を本人に聞いてみようとも思ったが、聞くまでもなく理由は分かってしまった。察しが良くて、でもわざわざ口に出さない節度も持ち合わせている女でよかったわね、なんて。
 五条にとって都合がいい高さなだけなのか、そういう距離感の関係なのか。きっと後者で意味もなくマウントを取られているのだろう。しかしそんな詳細など知る気は無い。が、この朴念仁にもいじらしいところはあるらしい。伏黒が無意識に手を置いている場所は五条がよく腕を回している場所だった。
 癖になるほどそこに回された腕に手を重ねているのか、はたまた離れた温度が寂しくて重ねているのか、そこまで知る気は当然ないけれど。

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