薄明

ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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セックスの仕方

「恵ってさぁ」
 そう言葉を投げると、ベッドの上にタオルを敷いていた伏黒は怪訝そうな顔でもって五条の方を見た。
「ちゃんとやらないならしませんよ」
 少しだけ耳の縁が赤いのは多分着ているものが五条のシャツ1枚だからだろう。完全に五条の趣味ではあるのだが、伏黒がオーバーサイズな五条のシャツ1枚だけを身にまとっている姿が好きなのだ。どうせ脱ぐのなら脱ぎやすい方がいい、というのは建前で。
「やるやる。やるけどさ」
「…けど?」
 伏黒と同じように五条もベッドにタオルを丁寧に敷いているのは何故かといえば、先日バレンタインだからと五条が買ってきたローションとゴムを使うためであった。バレンタイン、と言えばチョコ。そんな安直な理由でそのチョコの香りがするゴムと、香りに加えて食べられるローションなるものを買ってきたのだ。しかし往々にしてこのようなグッズはろくでもない、と伏黒は言う。使ったら部屋は換気しないといけないくらい匂いは強いかもしれないし、色や匂いがベッドに染み付きでもしたらどうする、と。
 それでも買ってきたからにはとりあえず1回は使いたい、と2人で話し合い妥協点を探し、やっと見つけたのがとりあえずタオルを全体に敷いて終わったら部屋は換気。一先ず洗濯してみて匂いが取れれば良し、とれなかったらタオルだけ買い直し、であった。
 かくして2人でせっせと準備をしているわけなのだが。
「意外とえっちに協力的だよね、恵って」
 これ使いたいって時も結構真面目に考えてくれたし、今も準備ちゃんとしてくれてるし。そう付け加えれば綺麗に敷かれていたタオルに皺が寄る。タオルが伏黒に握り締められてしわくちゃになってしまったことにも気付かず、真っ赤になった顔で言った。
「…っあ、あんたがしたいって言うから…!」
「そうそう、だから真面目に考えてくれるし意外と協力的だよね、って」
「だっ、……!」
 そこで言葉を詰まらせた伏黒はしばらく首まで赤くしたままはくはくと口を開け閉めしていたが、やがて先程の勢いをすっかり失いながら言った。
「だ、だって…これがあんたの教えた……セックスの、仕方…でしょうが…2人でするのが…」
 思ってもみなかった伏黒の言葉に、今度は五条が言葉を詰まらせる。ちょっとの好奇心とちょっとの悪戯心で聞いただけなのだが、こんな可愛いことを言われてしまうとは。
「………そっ、か」
 そりゃあ、教えたも何も伏黒の初めての相手が五条なのだが、それがこんなに愛しく育つとは。返す言葉も見つからなくてとりあえず抱き締めれば、伏黒は今すぐにでも逃げ出しそうに暴れながら「無言になるな!」と叫んだ。

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