薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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おめぐの影のこと、便利アイテムだと思ってる
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影の中は涼しいらしい。夏場になるとデートの際の移動手段は五条の影になる伏黒の話だ。日の当たらない日陰は涼しいのだからある意味道理だが、伏黒のように人の影の中に潜れるわけでないから五条は想像することしか出来ないのだけど。物を影の中にしまえるのだから人間も少しくらいしまえないのか、と聞いたところ「でも、俺は五条さんの影に入る方が好きだから」とやんわりと断りになってない断り方をされてしまった。人を入れるために色々呪力を調整するのが面倒で、五条が喜びそうな言葉で暗に「だから俺の影に入ってくれるな」と言っているのは分かっているのだが「好きだから」と言われてしまえば気分は悪くない。そうして呆気なく五条は伏黒の影にお邪魔するのは諦めて、タクシー代わりを務めることにした、のだが。
「恵ぃ〜アイスくらい出て食べなよ」
「暑いんで」
「それが夏ってもんでしょうが」
コンビニの駐車場にある金属製の突っ込み防止柵は夏の日差しで焼けそうな程に熱い。腰掛けた部分が熱されて汗が滲む。しかし伏黒はそんなことには一切構わずに、五条が買った氷形のアイスを摘んでいた。アイスの入ったカップを柵に手で支えながら置いて、そこに出来た僅かな影から伏黒の手だけが生えている。1つ摘んでは中に引っ込み、また出てきては1つ摘む。顔も出さずに器用なものだと思うが、カップを支える五条は相変わらず熱光線に焼かれている。出てきてよと言っても嫌だと呆気なく断られてしまい、サングラス越しにコンビニの前にある情緒もなにもない道路を眺めるしか出来なかった。これで目の前に真っ青な海でもあれば少しは絵になったのかもしれないが、生憎ここは都会のど真ん中のコンビニで、海なんてどこにもありはしないのだけど。
「溶けちゃったらどうしよ」
流れる汗に五条の一部も溶けだしていそうで、このまま夏の陽射しに晒されていたら五条が食べている濃厚チョコの棒アイスのように小さくなって無くなってしまうかもしれない。そんなことを伝えたら「馬鹿なこと言わないで下さい」なんてつれない返事が返ってくるかと思っていたのだが、予想に反した答えが返ってきた。
「それだと俺が夏困るので、溶けずにいてください」
いつの間にか五条の手元の影から顔を覗かせた伏黒がじっとこちらを見ていた。汗が顎を伝う五条とは違って涼しい顔をしている伏黒はそれだけ言うと五条の手からカップを奪い去ってあっという間に元の場所へと戻っていく。そうして音もなく消えてしまった伏黒に笑いを噛み殺しながら「来年はもっとちゃんと暑さ対策します」と返した。
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2023.09.08 21:25:15
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おめぐの影のこと、便利アイテムだと思ってる
影の中は涼しいらしい。夏場になるとデートの際の移動手段は五条の影になる伏黒の話だ。日の当たらない日陰は涼しいのだからある意味道理だが、伏黒のように人の影の中に潜れるわけでないから五条は想像することしか出来ないのだけど。物を影の中にしまえるのだから人間も少しくらいしまえないのか、と聞いたところ「でも、俺は五条さんの影に入る方が好きだから」とやんわりと断りになってない断り方をされてしまった。人を入れるために色々呪力を調整するのが面倒で、五条が喜びそうな言葉で暗に「だから俺の影に入ってくれるな」と言っているのは分かっているのだが「好きだから」と言われてしまえば気分は悪くない。そうして呆気なく五条は伏黒の影にお邪魔するのは諦めて、タクシー代わりを務めることにした、のだが。
「恵ぃ〜アイスくらい出て食べなよ」
「暑いんで」
「それが夏ってもんでしょうが」
コンビニの駐車場にある金属製の突っ込み防止柵は夏の日差しで焼けそうな程に熱い。腰掛けた部分が熱されて汗が滲む。しかし伏黒はそんなことには一切構わずに、五条が買った氷形のアイスを摘んでいた。アイスの入ったカップを柵に手で支えながら置いて、そこに出来た僅かな影から伏黒の手だけが生えている。1つ摘んでは中に引っ込み、また出てきては1つ摘む。顔も出さずに器用なものだと思うが、カップを支える五条は相変わらず熱光線に焼かれている。出てきてよと言っても嫌だと呆気なく断られてしまい、サングラス越しにコンビニの前にある情緒もなにもない道路を眺めるしか出来なかった。これで目の前に真っ青な海でもあれば少しは絵になったのかもしれないが、生憎ここは都会のど真ん中のコンビニで、海なんてどこにもありはしないのだけど。
「溶けちゃったらどうしよ」
流れる汗に五条の一部も溶けだしていそうで、このまま夏の陽射しに晒されていたら五条が食べている濃厚チョコの棒アイスのように小さくなって無くなってしまうかもしれない。そんなことを伝えたら「馬鹿なこと言わないで下さい」なんてつれない返事が返ってくるかと思っていたのだが、予想に反した答えが返ってきた。
「それだと俺が夏困るので、溶けずにいてください」
いつの間にか五条の手元の影から顔を覗かせた伏黒がじっとこちらを見ていた。汗が顎を伝う五条とは違って涼しい顔をしている伏黒はそれだけ言うと五条の手からカップを奪い去ってあっという間に元の場所へと戻っていく。そうして音もなく消えてしまった伏黒に笑いを噛み殺しながら「来年はもっとちゃんと暑さ対策します」と返した。
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